取引資料せんの目的

前回もご紹介したように取引資料せんは税務署が納税者に依頼し、納税者の任意の協力によって作成する資料せんのことです。取引資料せんの中味は、特定期間の取引内容(売上げ、仕入れ、諸経費等)について、その相手取引先、取引日時、取引金額などをまとめたものになります。税務署がこのようにして集めた取引資料せんは、税務調査対象者の選定、税務調査時の参考資料として使用されます。

税務署では集めた取引資料せんを例年7,8月にかけて精査検討し、9月移行に税務調査を実施するのが一般的のようです。取引資料せんから申告内容の差異、不備を発見して申告書提出あるいは修正申告書提出となるパターンは以下となります。

[呼び出し]
個人や個人事業主の場合に多くとられる方法で、納税者にあらかじめ書面を送付し税務署に呼び出しをかけます。例としては、家賃収入、満期保険金、副業収入、不動産の売却収入等がありながら申告漏れとなっている場合などにこの方法が用いられます。税務署は、単刀直入に「○○が申告されていないようですが……」と告げてきます。

[税務調査]
事業者について、詳細な検討をしないと申告漏れや過少申告を確認できないケースに用いられる方法です。税務署は、あからさまに取引資料せんから事実関係を把握したことを納税者に告げることはありませんが、取引資料せんと申告内容の差異の真偽を突き止めるため特定事項を重点的に調査するようです。また、税務署は十分な証拠固めを行った上で納税者と接触しているので、申告漏れや過少申告について自覚がある場合にはいさぎよく応じる方が結果としてはいいでしょう。

Comments are closed.